idea factory from newspaper 2003 8 18

800万人の雇用対策(employment measures)
 日本では、公共サービスの就業者の割合が、
現在の2倍のアメリカ並み(27.8%)に高まれば、
民間を中心に800万人の新規雇用が生まれると、
試算されているという。
 公共サービスと言うと、かねてから、不思議に思っていたことですが、
最も公共性の高いサービスである電力を、民間会社が提供し、
それほど公共性が高くないサービスを役所が提供しているということです。
不思議な構造です。
 電力は、公共性が最も高く、重要な社会基盤を支え、
しかも、安全保障の問題でもあるので、電力は役所が提供し、
その他の公共サービスは、すべて民間企業が提供する。
こういう発想でも、よかったと思っていたが、
現実は逆になっている。
 同じことが、インターネットにも言える。
インターネットは、現在、公共性が非常に高くなっているので、
国がインターネットを提供するという発想も、あってもよかったと思っている。
国が、インターネットのプロバイダーになることである。
 こうすれば、国民が、インターネットをしたいと申請すれば、
役所が家庭にインターネットを設置し、
役所がインターネットサービスを提供する。
つまり、インターネットを福祉と考える発想である。
 非効率な公共事業に、数十兆円の税金をつぎ込むより、
この方が、新しい産業が起きる可能性が高い。
新しい産業が起きれば、税収増が見込める。
 非効率な公共事業に、数十兆円の税金をつぎ込んでも、
儲かるのは特定の業者だけで、
つまり特定の国民しか儲からない。
これは、一般の国民には、関係ない話で、何の利益も生まない。
 今となっては、後の祭りであるが、
インターネットに数十兆円の税金をつぎ込んだ方が、まだマシだった。
数十兆円もあれば、日本の全家庭にインターネットを設置できた。
さらに、日本の全家庭にパソコンを配ることができた。
そして、新しい産業が起きる可能性が高かった。
 しかも、パソコンは、自動車より耐久性がないので、
3年後か5年後には、必ず、買い換えが必要となる。
つまり、3年後か5年後には、税金を使わずに、景気対策ができた。
そして、このようにすることで、
新しい産業が起き、買い換え消費が起きるので、
うまくすれば、税収増にもなるので、
つぎ込んだ税金を何割か回収できた。
 非効率な事業に資金をつぎ込めば、会社が傾く。
これを、国や地方公共団体は、数十年も続けているので、
国や地方公共団体は、財政危機になる。
当たり前の話である。
 これでは、会社では、社長がすぐクビになるが、
国や地方公共団体では、クビになるどころか、
自分のやった非効率な事業を自慢している。
愚かなことである。
 愚かな者とは、自分が愚かであることに気づかぬ者のことである。
自分が愚かであることを知っている者は、愚かではない。
 しかし、国や地方公共団体をいつまでも非難していても、何も始まらない。
今という時代は、社会の変化が極めて早く、
もう、国や地方公共団体が、時代の変化についていくことは無理となっているのです。
国や地方公共団体が、時代の先端を行く時代は終わっているのです。
この事実に気づかなかったのが、国や地方公共団体の傷を深くしてしまったのです。
もう、こういう時代となっては、
国や地方公共団体は、民間企業のサポート役に徹するべきです。
くれぐれも、民間企業の邪魔にならないように注意すべきです。